スポンサーリンク
「自営業」とは?
すなわち、「自分」で「(個人として)営業」する、ことを「自営業」と呼んでいます。
「個人事業主」や「フリーランス」とも呼ばれます。
一般的には「個人事業主」と呼ばれることが多いようですが、基本的には同じ意味になります。
1人でやるから個人事業主とは限りません。従業員を雇うこともできますし、家族に手伝ってもらっている方もいます。
町を歩くと、〇〇商店、とか、〇〇事務所、〇〇教室などの看板を見かけるかと思いますが、こういった屋号(お店の名前)でやっている多くのお店が個人事業主です。チェーン展開をしていないお店であればほぼ間違いないと思います。こういったお店にもアルバイトやパートさんなんかがいますよね?
言ってみれば会社(法人)と言う形でないお店や組織などはほぼ個人事業主、ということになります。
では、会社などの法人と個人事業主は何が違うのでしょうか?
個人事業主と会社の違いは?
昨今は「脱サラ」とか「誰にでもできる独立開業!」とかいうブームにもなっているのかもしれませんが、サラリーマンでも独立開業はできます。
個人が開業するには税務署に行って開業届を提出すれば誰にでもできます。特に、これといった費用も要りません。
よくフランチャイズで商売を始める人なんかは開業資金だとか、加盟金だとか、難しい手続きは本社が一括で負担します!
とかと言っていますが、開業自体は誰にでも、費用もかからずにすることができます。
儲かる儲からないは別に、ですよ。。
では、会社(法人)はどうかというと、こちらは、なかなか面倒くさいです。私自身は司法書士さんにお願いしましたが、30万円前後はかかるのかな?と思います。
定款作成や登記に関する書類作成を必要とします。
また、それ以外にも業種によっての届け出などが必要なこともアリ、素人がいきなり1人でやろうと思っても、専門家がいないとなかなか難しい部分があると思います。
また、健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険などの手続きも義務付けられています。
(個人事業主の場合は健康保険は国民健康保険、年金は国民年金に加入することになり、それ自体はデメリットになるかもしれませんが。。)
さらにいうと、法人の場合、法人住民税は赤字でも納税する必要があり(最低7万円・年間)、個人の場合は赤字であれば住民税を含めた税金の負担は少ないのが現状です。
個人事業
|
会社 | |
開業資金 | 少ない資本でも可能 | 資本金が必要 |
開業資金 | 少ない資本でも可能 | 資本金が必要 会社設立費用がかかる |
開業手続き | 簡単 | 大変かつ費用もかかる |
社会的信用 | 低い | 高い |
会計処理 | 簡単 | 複雑 (通常、税理士に任せる) |
事業主の給与 | 経費にならない | 経費になる |
生命保険 | 所得控除になる | 経費になる |
社会保険 | 国民年金、国民健康保険 | 厚生年金、健康保険 |
赤字の繰越 | 最大3年間 | 最大7年間 |
社員の確保 | 難しい | 個人事業より簡単 |
会社(法人)でないと取引ができないなどの障害がない限りは、個人事業の方が圧倒的に有利なのかなと思います。
個人事業のメリットデメリット
メリット
・自由にやりたいことができる
・休みが自由に決められる
・社内の人間関係から解放される
・やった分だけの見返りがある
などの個人的な働き方以外にも
・会計処理が簡単
・所得が赤字であれば税金がかからない
・事業所得がそこまで多くなければ法人よりも節税できる
など税制面でも有利になります!
個人事業主としてのメリットは、何と言っても自由ということ。
サラリーマンやバイト、パートに比べれば、管理されない、監視されない、といった人間関係にストレスを感じることが少なくなるという点が最大のメリットと感じる方が多いと思います。
また、人間関係で、嫌な仕事は断ることで関係を切り離す自由もありますし、仕事とプライベートの配分を自由に決めることもできます。
逆に頑張った分の収入を手にすることもでき、会社員のようなどんなに頑張っても上限が見えている仕事に比べると、自分の収入に対しては上限がありません。稼ごうと思えばいくらでも稼ぐことも可能であると言えるでしょう。
デメリット
・仕事が安定するか分からない(リスクがある)
最初で最後の最大のデメリットがこれでしょう。
誰も助けてはくれません。
自分の仕事は自分で責任を持っておかなければなりません。
自分の生活を守るのも自分しかいません。
会社にいれば、いる分だけお金をもらえる、というような補償は一切ありません。
失敗すれば、借金も自分の責任で支払っていかなければなりません。
・厚生年金に加入できない
・雇用保険に加入できない
良く言われる、社会保険(厚生年金・社会保険)に加入することはっできません。また、雇用保険も事業主本人は加入することはできませんので、失業時(倒産時)の保証も自分自身にかけることはできません。まぁ、逆を言えば(雇用保険については)支払う必要がないとも言えます。。
・事業所得が増えれば法人よりも税金が多くなる可能性がある
(この場合は法人化することをお勧めしますが。。)
そして、税金関係から事務仕事まで全ての仕事に関わることを全て1人でこなさなければならないため、仕事の煩雑さはとても多く感じる方が多いようです。
また、プライベートと仕事の境目を自分で裁量権を持っているというと格好はいいですが、逆を言えば、いつまで寝てても誰にも怒られない、出社する必要がないため、だらけようと思えば何時まででもだらけていられるという部分が多いなるデメリットになりうるということが言えるでしょう。
そういった意味では、自己管理がきちっとできる人は事業をすることに向いているとも言えますね。
こんな仕事は自営業
・飲食業 喫茶店・定食屋さん・バーなど
・小売業 酒屋さん、米屋さん、八百屋さん、肉屋さん、文房具やさん
・美容師
・教室 書道教室、そろばん教室、ピアノ教室など
・マッサージ、接骨院、整骨院
・専門家業 税理士、行政書士、司法書士、弁護士、設計士、建築士など
・大工、左官、電気工事士など
・家主
・プログラマー、デザイナー、イラストレーターなど
・農家、酪農家、林業など
・投資家
比較的イメージできたでしょうか?
お店を出しているいないはあまり関係がありません。
ですが、イメージしやすいのは個人でやっているお店や飲食業だったりするでしょうか。特別何か資格や許可が必要でないものは、誰にでも参入ができるため競合が増えていきますが、開業することの敷居は比較的低くなります。
逆に、手に職を持つ、と言われるように、自分の能力だったり技術を持っている業種などは、取引先をしっかり確保することで比較的成功しやすかったりもするようです。
自営業の税金と年収
自営業者が支払う税金は4つ。
所得税
住民税
個人事業税
消費税
所得に対する税率と納税額の目安 | |
(課税)所得 | 税率 |
195万円以下 | 5% |
195万円超~330万円以下 | 10% |
330万円超~695万円以下 | 20% |
695万円超~900万円以下 | 23% |
900万円超~1800万円以下 | 33% |
1800万円超~4000万円以下 | 40% |
4000万円超 | 45% |
この所得税と呼ばれるものが、もっとも一般的でしょうか?
個人事業においては最もメインとなる税金が所得税になります。
毎年2/16~3/15に行われる確定申告の時期に計算していくことになるメインの税金がこの所得税です。
1/1~12/31までの期間での収入や経費の申告を、確定申告で行います。
自営業の年収としては一概には言えませんが、200万円~1000万円までが多いように感じます。
年収が少なすぎると生活が回らなくなりますし、売り上げが1000万円を越えると消費税の負担が発生し、なおかつ、所得税も高くなるため、この範囲の自営業者が多いと思います。
さらに年収を上げる人は会社を立ち上げていく(法人なり)ことが一般的なのかなと思います。
所得税の計算は「売り上げ」にかかるのではなく、あくまで売り上げから経費や控除を引いた所得(利益・手取り=「課税対象所得」)にかかるので、個人事業主のメリットである「経費」をしっかり計上して税金を下げることが可能になります。
そのため、会社員時代と同程度の年収が見込めるのであれば、経費や控除が使える分、間違いなく手取りは増えると思います。
*サラリーマン時代によく、「年末調整」をして還付金が返ってくることがあるのもこの所得税になります。会社は所得税を給与から預る義務があるため、会社が所得税を毎月一定額積み立てをしています。
1/1~12/31が判定する機関になりますので、給与が最後になる12月の給与が支払われるタイミングで計算をして、所得税が確定した後に、積み立てていた金額との誤差を還付することになります(たいてい会社が多く積み立てています、会社としては逆になると怖いので)。
税金についてはまた、別のところでお話をしていきたいと思います。
自営業の年金と保険
社会保険 | 会社員 | 自営業 | ||
の種類 | 加入できる | 保険料 | 加入できる | 保険料 |
社会保険 | 社会保険 | |||
健康保険 | 健康保険 | 会社と本人が折半 | 国民健康保険 | 全額自己負担 |
公的年金 | 国民年金+厚生年金 | 会社と本人が折半 | 国民年金 | 全額自己負担 |
雇用保険 | 〇 | 会社と本人が折半 | 加入できない | - |
労災保険 | 〇 | 会社が全額負担 | 加入できない | - |
会社員と自営業者との違いは個々に大きく表れてくるのかなと思いますが、年金についても保険についても、自営業者は全額自己負担になるのに対し会社員は会社と折半になります。
金額が同程度になっていたとしても、将来もらえる金額は大きく変わってくることになります(ここでは年金がもらえるもらえないの論点ではお話をしていません)
そこで、国民年金の年金だけでは老後に不安を感じる自営業者は国民年金に加え、国民年金基金や、自営業者が加入できる小規模企業共済などに加入することができます。こういったことも自己責任になってくるところが自営業とも言えます。
会社員は会社がほとんどの税金の計算をしてくれるため、こういった知識は誰も教えてくれません。こういった勉強や届け出なども全てが自分で行っていかなければならないのも自営業なのかもしれません。
ちなみに、国民年金や国民健康保険、また、先程紹介させていただいた国民年金基金や小規模企業共済などは「全額」所得控除になります。
つまり、全額経費として認められています。
こういったところにお金を回すことで、税金を下げ、将来のリスクに備えるということもできます。
会社員は一律で皆同条件(所得税や年金、保険)なのに対して、自営業は自分のニーズに対して自分で選ぶことができるため、自由度は高いとも言えます。
その裏側には自分でしか自分は守れないという、自営業ならではの、自由と責任がついて回ることになります。
まとめ
ざっくりとまとめましたので、自営業とは?ということに関しては、主にサラリーマンとの比較でお話をしてきました。
「軽運送」というのは自営業の中の一つに過ぎません。
分かりやすく言えば、〇〇商店、と同じように、自分1人しかいない、〇〇軽運送の店長さん、社長さんになる、ということが「軽運送を開業する」ということになります。
ドライバーごとに年齢や体格が違うように、お店一つ一つに特色が出てくることになります。
「どこどこさんは、土日は仕事お願いしても断られる」
「どこどこさんは、安い仕事は断られる」
「どこどこさんは、人付き合いが悪い」
いわゆる、お店の評判と一緒ですね。
この評判がこれからの仕事のお願いされるかされないかを決めていきます。
やはり、評判のいいところに頼めば、間違いがない。
評判の悪いところは、本当にやってくれるのか、仕事が終わるまでドキドキする。
皆さんが床屋さんに行って終わるまでドキドキする。
定食屋さんに行って一口食べるまでドキドキする。
間違いのないお店になってくれればどんどん仕事は入ってくるでしょうし、
いつも不安だな、と思うようなお店であれば、なかなかいい仕事は頼みづらくなるでしょう。
細かい点を除けば、自分自身の行動がお店の評判になるというのが、軽運送であり、自営業だと思ってもらえればいいのかな?と思います。
自営業の税金をまとめてみました。いまさら聞けないという人のための税金講座