個人事業主の税金は全部で4種類

 

税金 解説と納付時期
所得税 個人事業主が1/1~12/31の1年間に稼いだ利益(課税対象所得)にかかる税金です。(売上-(経費や控除)=課税所得)に対して課税。メインとなる税金で、課税所得金額に応じて、税率が変わります。所得の金額が高ければ高いほど、税率も高くなる累進課税が採用されています。納付は、確定申告後の3月に行います。
住民税 住んでいる都道府県・市町村に納める税金で、所得に応じて課税される「道府県民税」と「市町村民税」の2種類。確定申告をもとに計算されるため、申告は不要。納付は、毎年6月に市町村から送られてくる納付書を使って納税します。サラリーマンとの違いは、個人事業主の場合は自分で支払う必要があることと支払い回数が4回(6月、8月、10月、翌年1月)もしくは一括となる。
個人事業税 個人事業の事業内容に応じて課される税金(税率は3~5%)で、都道府県に納税します。確定申告をしていれば、申告の必要はない。なお、事業所得が 290万円までの場合は免税となり、個人事業税はかからない。納付は、8月と11月の年2回です。個人事業税を支払った場合は、支払った年度の経費(租税公課)にできるので、忘れずに経費処理。
消費税 ほぼすべての取引に対して課される税金です。事業年度の売上(所得ではありません)が、1,000万以上となった場合に消費税が発生。ただし、開業から2年間は消費税が免除され、支払う必要はない。納付は3月。所得税は赤字の場合に納付が免除されるが、消費税は売上が1000万を超えていれば、赤字でも納めなければいけないため注意が必要。

国税

1.所得税
2.消費税

地方税

1.住民税
2.個人事業税

主に所得税と住民税が関係があることかとは思いますが、消費税は売り上げが1000万円を越えると対象になり、個人事業税は290万円以上の事業所得があれば対象となります。
しばらくはあまりなじみの無い税金かとは思いますが、一緒に勉強しておくといいと思います。

所得税

さて、以前にもお話をしましたが、サラリーマン時代には会社が全て行っているため、所得税ですら普通の人は知りません。ましてや計算方法になるとほぼすべての人が知らないことが多いです。
繰り返しになりますが、1/1~12/31までの1年の所得を、翌年の2/16~3/15までに申告しなければ税金が確定しません。
これを提出しない場合のお話しは、また後日に譲るとして、ここではきちんと申告することを前提としてお話を続けていきたいと思います。

所得税の計算方法

所得税=課税所得(売上-経費-所得控除-青色申告特別控除)× 税率-税額控除

となっています。
売り上げはいいと思いますので、経費(車両費、家賃、消耗品費、旅費交通費、通信費など)を引きます。

次に所得控除ですが、基礎控除(自分自身の控除)額が38万円、これに配偶者がいれば配偶者控除、扶養控除(子供など)、社会保険控除(国民年金や国民健康保険)、生命保険控除(生命保険などにかけていれば最大5万円)、医療費控除などの控除額を計算し売上から引きます。

さらに、青色申告で確定申告を行う場合は、最高で青色申告特別控除65万円が控除されます。

これら全部を引いた額を「課税対象所得」と言います。
この金額が課税、つまり税金をかける基礎の金額になります。

後でも出てくる「個人事業税」は青色申告特別控除を引く前の金額が290万円の場合に課税判断になります。。

さて、経費についての詳細はまた後日お話しするとして、この課税対象所得が出てくると、次に税率をかけることになります。
日本では累進課税という、金額に応じて税率が変わる制度をとっています。これは、お金もいっぱい稼いだ人には高い税率を。あまり稼いでいない人には最小の5%を、といった、不公平感の無い制度を取り入れているためです。ただ、昨今はお金持ちの中に、高い税率を嫌い、海外に居住を移し、低い税率にして手残りを増やそうとする人も多いようです。
こうすることにより、日本の税収入が減っていくとのとらえ方もあり、税制は毎年何らかの変更があるため、今回お話しすることも少しづつ変わっていくことをご了承ください。。

所得に対する税率と納税額の目安
(課税)所得 税率 控除額 所得税の金額 (納税額)
195万円以下 5% 0円 97,500円以下
195万円超~330万円以下 10% 97,500円 97,500円~232,500円
330万円超~695万円以下 20% 427,500円 232,500円~962,500円
695万円超~900万円以下 23% 636,000円 962,500円~1,434,000円
900万円超~1800万円以下 33% 1,536,000円 1,434,000円~4,404,000円
1800万円超~4.000万円以下 40% 2,796,000円 4,404,000円~13,204,000円
4.000万円超 45% 4,796,000円 13,204,000円超

参考:国税庁(タックスアンサー)

 

最後に税額控除を差し引きます。

税額控除の対象となるのは住宅ローンや寄付などです。
詳しくは税額控除を参照にしてもらえばと思います。

さて、ざっくりお話ししても分かりにくいと思いますのでシュミレーションをしていきたいと思います。

シュミレーション その1

・売上360万円(月30万円×12カ月)
・経費60万円(月に5万円(ガソリン3万円+駐車場0.5万円+携帯電話0.5万円+家賃1万円(月3万円の1/3を事務所として))を経費としてみます)
・所得控除74万円(1人暮らし、基礎控除38万円+国民年金18万円(1.5万円×12カ月)+国民健康保険18万円(1.5万円×12カ月))
・税額控除なし
・青色申告特別控除65万円

課税対象所得=売上(360)-経費(60)-所得控除(74)-青色申告特別控除(65)=161万円

となります。
課税所得が161万円の場合の所得税の税率は5%となります。

所得税は、161万×5%=80500円となります。

もしも、税額控除があれば、ここから引きますが、今回はなしということで、所得税は80500円となります。

仮に、青色申告特別控除を使わずに白色だった場合は、65万円ではなく10万円になりますので

課税対象所得=売上(360)-経費(60)-所得控除(74)-白色申告控除(10)=216万円

となり、最低ラインの195万円を越えてしまうため、税率が5%ではなく10%と倍になってしまうため、

所得税=216万×10%=21万6千円

になります。
青色申告特別控除65万を引けなかったときとの差は、

216000-80500=135500円

の差になります。。。。

特に最低ラインの195万円を越えるか超えないかは特に大きな差になります。
こういったことを頭に入れて、極力経費を計上できるよう日々の支払いに関しても注意をするように心がけるといいと思います。

そして、青色申告特別控除65万を使うメリットがここで分かってくると思います。
<こちらも重要>この青色申告特別控除65万円は所得税だけでなく、住民税、国民健康保険についても適用になります!!

せっかくなのでもう一つシュミレーションをしてみたいと思います。

シュミレーション その2

・売上300万円(月25万×12カ月)
・経費60万円(月に5万円(ガソリン3万円+駐車場0.5万円+携帯電話0.5万円+家賃1万円(月3万円の1/3を事務所として))を経費としてみます)
・所得控除38万円(1人暮らし、基礎控除38万円のみ、年金も保険も払っていないとします)
・税額控除なし
・白色申告控除10万円

こちらの方がうちのドライバーには多そうなので、これで計算をしてみます。

課税対象所得=売上(300)-経費(60)-所得控除(38)-白色申告控除(10)=192万円

スレスレ195万円の最低ラインに届かなかったので、税率は5%でした。

192万円×5%=96000円

さきほどのケースと比べてもらうと分かると思います。
青色申告をしていないのは分かっていただけると思いますが、もう一つ大きな差になってくるのが、国民健康保険と国民年金です。
この2つ、払わない人が多いと思いますが、払ったら払った分全額控除になります。その分、翌年の所得税はじめ、住民税や翌年の国民健康保険の課税対象所得にも影響を及ぼしてきます。
つまり、ちゃんと払えば、その分翌年の税金の課税対象所得が減りますので、毎年きちんと払っておけば、毎年の税金が少なくなっていく、ということになります。

払わないことで、口座凍結の憂き目にあうことの無いよう、税金の仕組みを理解して払うものは払う、その上でいかに利益を残していくか、というところに頭を使うようにしていったらいいのかなと思います。

<<支払いは確定申告が終わってからの3~4月に支払いを行います>>

なので、経費が思った以上に出なかったときなどは、一気に10万円以上を支払う必要も出てきます。。
常日頃から貯蓄を、と言っているのはこの部分になりますので、早め早めの対応対策が必要になってきます。

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住民税

住民税はざっくり10%です。
所得割(市町村民税6%+道府県民税4%)と均等割(だいたい4000円)

計算方法

市町村民税 道府県民税 合計
所得割 6% 4% 10%
均等割 3,000円 1,000円 4,000円

 

住民税は所得税と違って、自分で申告をする必要はありません。
確定申告をすることで、その情報が各市町村に届けられ、勝手に通知書が送られてくることになっています。
これは、とても重要なことですが、同じように、国民健康保険も同じデータが使用されることになるため、勝手に通知書だけが送られてくるのです。
先程もお話しさせていただきましたが、国民健康保険は全額控除対象になります。
逆に言えば、所得税や住民税は控除されません。
かと言って、これを払わない場合はやはり口座凍結などの処置を下されますので、税金は払っておくにこしたことはないと思います(汗)

さて、住民税のお話ですが、原則どこに住んでいても同じ税率が適用されることになっていますが一部例外もあるようです。

なお、<ここ重要>赤字(課税対象所得が0円以下)の場合、所得割はありませんが、均等割りは赤字でも発生します。(つまり、最低額は4000円になります。)

ただし、一定の要件を満たした場合は免除になることもあるようですので各市町村に確認してみましょう。

シュミレーション その1

先程使用した所得税のその1を流用します。

・売上360万円(月30万円×12カ月)
・経費60万円(月に5万円(ガソリン3万円+駐車場0.5万円+携帯電話0.5万円+家賃1万円(月3万円の1/3を事務所として))を経費としてみます)
・所得控除69万円(1人暮らし、基礎控除33万円+国民年金18万円(1.5万円×12カ月)+国民健康保険18万円(1.5万円×12カ月))
・青色申告特別控除65万円

課税対象所得=売上(360)-経費(60)-所得控除(69)-青色申告特別控除(65)=166万円

となります。
課税所得が166万円の場合の住民税の所得割の税率は10%ですので、16.6万円。

これに、均等割の4000円を足して、17万円になります。

再度の繰り返しになりますが、青色申告特別控除65万を申請せず、白色だった場合は

課税対象所得=売上(360)-経費(60)-所得控除(69)-白色申告控除(10)=221万円

となり所得割は22.1万円。均等割を4000円を足して、22万5千円になります。

5万5千円の差になります。

これを、所得税と住民税を足してみますと。。

青色申告した場合、所得税80500円+住民税17万円=250500円、約25万円になります。
で、白色だった場合は、所得税135500円+住民税225000円=360500円。
つまり、青色と白色で、合算すると10万円以上の開きが出てくることがここで分かると思います。
さらに言えば、これに国民健康保険があると考えると、青と白、この差がいかに大きいかということが分かると思います。

そして、話を戻しますが、年収360万円、経費で60万円、国保と国民年金をきっちり払っていた場合でも、所得税と住民税で約25万円は支払う必要があるということです。

住民税は年4回払いです。
1回目は6月に通知書と一緒に送られてきます。
17万円の住民税を4回で割った場合の支払いは、約4万円になります。
青色申告をしたとしても、ひと月に4万円を支払うということはけっこうな負担になると思います。
(白色だった場合は、225000円、1回あたり56250円になります)

私が常日頃からお金をためておけ、と言っている意味が良く良くわかっていただけるのではないかと思います。
会社員と違い、所得税や住民税を会社で払ってくれません。(つまり、天引きしてくれません。)
全てが自分で行わなければなりません。
そういった意味でしっかりと、税金の構造を頭に入れて行動してほしいなと思います。。

住民税 その2

さて、
ケース2も一応やってみたいと思います。
こちらは、国保国民年金を払っていない人の住民税になります。

・売上300万円(月25万×12カ月)
・経費60万円(月に5万円(ガソリン3万円+駐車場0.5万円+携帯電話0.5万円+家賃1万円(月3万円の1/3を事務所として))を経費としてみます)
・所得控除33万円(1人暮らし、基礎控除33万円のみ、年金も保険も払っていないとします)
・税額控除なし
・白色申告控除10万円

課税対象所得=売上(300)-経費(60)-所得控除(33)-白色申告控除(10)=197万円

所得割10%=19.7万円
+均等割4000円=20.1万円

ケース1と比較してみるとやはり、ここでも5万円くらいの開きが出てきます。
所得税96000円と足すと、おおよそ30万円くらいになるのかなと思います。

住民税は約10%。
これは分かりやすいので覚えておくと便利だと思います。

個人事業税

個人事業税についてはあまりなじみがないと思います。
こちらも、確定申告をしていれば納付書が送られてきます。

少しお話ししましたが、事業所得が290万円までは控除となります。
(つまり事業税控除 -290万円という形になります。なので、290万円に届かなければ自動的に0になるということです。 )

ここでは青色申告特別控除は使えません。
つまり

売上-経費が290万円を越えるか超えないかということです。

・売上360万円(月30万円×12カ月)
・経費60万円(月に5万円(ガソリン3万円+駐車場0.5万円+携帯電話0.5万円+家賃1万円(月3万円の1/3を事務所として))を経費としてみます)
・所得控除74万円(1人暮らし、基礎控除38万円+国民年金18万円(1.5万円×12カ月)+国民健康保険18万円(1.5万円×12カ月))
・税額控除なし
・青色申告特別控除65万円

の場合、
売上(360)-経費(60)=300

300-事業主控除290万円=10万円

税率5%なので、(軽運送業)

10万円×5%=5000円

となります。

これを8月と11月の年2回納付することになります。
なお、この個人事業税は経費として計上できます。

厳密に言えば、毎年3/15までに「県税事務所」などに申告書を提出しなければならないのですが、所得税の確定申告を行った場合や、事業所得が290万円以下の場合には申告する必要がないため、正規の手続きをすることはあまりないようです。

消費税

消費税。
これは、売上が1000万円を越えた場合に支払うことになります。
軽運送業を1人でやっている個人事業主にはあまりなじみはないと思います。

消費税は支払うことにはなじみがあると思いますが、この消費税は、本来、預り金として、支払ったお店などが、代わりに預ってくれて、確定申告を行ったうえで、消費税の計算をして、そのお店が支払うことになっています。

つまり、軽運送業においても、取引先から預かった消費税は、本来支払う必要があるのです。

ここで例外をお話しします。
1.開業から2年
2.売上が1000万円以下

この場合は支払う必要がないのです。
厳密に言いますと「2年前の売上が1000万円を超えた事業者は、消費税の課税事業者である」という決まりがあります。
逆を言えば、開業してすぐには、2年前の売上が存在しないので、消費税を納税する必要がないということになります。
また、売上が1000万円を超えない場合も、消費税を納税する必要はありません。

なお、年間の売上が1000万円を越えた場合は、消費税を納税する必要がありますが、支払いをする時期は、その年ではなく、その年(1000万円を越えた年)の翌々年(2年後)となります。
ただし、支払いの必要があるその年(2年後)が仮に赤字だったとしても支払い義務が生じるので注意が必要になります。

まぁ、あまりなじみがないと思いますので簡単にお話だけしておきます。
仮に1000万円を越える場合には、計算方式が2種類あり、通常の計算方法と、簡易にみなし消費税を計算することができるバージョンとの2種類になります。

これらの計算方法は、会計ソフトなどを使わないと計算が難しいため、ここでは割愛させていただきます。

ここで問題となるのは、1000万円行かない個人事業主が消費税を預って良いのか?というところになりますが、この問題点については、いつ何時1000万円を越えるか分からないため、消費税を預って良いとされています。
1000万円を越えた場合には課税事業者として消費税を支払うことになるわけですから、やはり預っておかなくてはならない、ということです。

最初は預ってなかったけど、計算したら1000万円を超えそうだ、と後から消費税を預るわけにはいかないということですね。

簡単にお話をさせていただきました。

まとめ

これも以前お話をさせていただきましたが、日本ではこれらの税金のお話を義務教育では教えていません。国民が税制について賢くなると、いかに税金を払わないで済むかを考えだします。そうなると、日本国は税収入が少なくなっていき、つぶれてしまう危険性が出てくるからです。
なので、税金については知りたい人だけが勉強をする。
一般に働く、会社員、アルバイト、パートについては、働く人ではなく、雇用する企業側に納税の責任を負わせているのです。
こうすることで納め忘れもなく、漏れもなく、計算もきっちりとした税収入を安定させることができるからです。
こういった教育方法により、自営業者だけが一生懸命に税金を勉強することになります。
ただ、雇用から自衛にシフトしてくる人については、こういった勉強が本当に苦手な人が多いのも実情です。
言われたとおりの税金を納めればそれでおしまいという流れが楽でいいからです。
せっかく、自営業を旗揚げしたのであれば、自分の税金についてはしっかりと勉強をし、いかに正当に税金を下げていくかを勉強していってはいかがでしょうか?

ちなみに、会社を作ると、個人とは別に、法人税が入ってくることになりより煩雑な税金制度を勉強することになります。。。