サラリーマンが儲かる、儲からないという話ではありません。
かと言って、自営業が儲かるという話でもありません。

日本人の傾向として、よく言われること。
社会保険のあるところに就職した方がいい

これって、国民健康保険や国民年金が高いから
会社が勝手に払ってくれるから納め忘れがないから

などなど様々理由はあると思います。

これって、ある程度の年配の方、いわゆる親の世代の方がよく言っているのかなぁ?
と思っています。

もちろん、新婚夫婦の奥様方や、まぁ、普通の奥さんならみんな言うのかなぁと思います。

日本の社会はかつて(今でも?)会社が定年まで面倒を見てくれて、振り込んでくれるお金は銀行に預けなさい。
的な考え方が一般的でしたよね?

でも、よくよく考えてみると、その時代背景には戦後の好景気に右肩上がりの経済情勢。
銀行金利も年利10%前後と、今では考えられないような時代でした。

当然、会社員の給料も私の父は数年で何倍にも跳ね上がったと言っていたように
給料も右肩上がり。
そのお給料を銀行に預けておくだけで年間で10%も増えたという時代。。

その世代を生きてきた人たちにとってみたら、銀行にお金を預けておけば勝手にお金が増えていくものだと思っても不思議はありません。

では、今はどうか?
金利は1%を切る時代。

経済も飛躍的に上がる時代ではなく、会社もいつつぶれても不思議のない時代。

そんな中で、なぜ、社会保険にこだわるのだろう?

私の中の不思議でした。

国民健康保険や国民年金は主に、社会保険に入っていない人たちが入る保険や年金です。
親の世代、つまり、好景気の時代にサラリーマンだった人たちにはあまりなじみのないものです。

この負担は基本的には収入から払っていくものです。
つまり、アルバイトやパート、自営業者など、サラリーマンでない人が基本的には払うものです。

この負担が、大きいように見える。。
実際には社会保険厚生年金の負担額の方が大きかったりするのですが。。。

なぜか?

それは、保険や年金を実際に払う機会がなかったから。

ではないのかなぁ?
というのが私の見解です。

つまり、会社が勝手に保険料金や年金分を引いてしまって、残った額を給料として支払っているので、もらったものは全部自分で使えるお金、として認識させていた、ということが言えると思います。

つまり、かつての好景気に生きてきた人たちというのは、保険や年金を自分で払うことなく(実際に支払いをした経験がなく)生きてきたということです。

もらった給料は自分で使えるもの
実際には引かれているのだけれど
いくら払っているかを考えさせない仕組みができていた。

何が言いたいかというと、漏れなく、払うべきところに払わされていた。
ということです。

国民年金や国民健康保険は自分で支払う必要があり、払い忘れはもちろん、払わない!という人も当然出てきます。
こういったことが少なくなるように、国は、つまり日本国は会社、企業体に漏れなく納めさせるために、会社員の厚生年金や、社会保険料を会社が代わりに払うよう命令を出したのです。
これは、本来所得税の納め忘れをなくすためのものだったのではないかと思われますが、同じように保険や年金、住民税についても同じ規定を作ったものと思われます。

その結果、所得税、住民税、社会保険、厚生年金については、会社がきっちりと計算し1円単位の狂いもなく会社員の給与から会社が納める形を作ることとなったのです。

働く側からすれば、勝手に引かれているので、納め忘れはないし、振り込まれるお金はすべて自分で使ってよいお金という認識を植えつけられることになります。

そうやって生きてきた人たちには、会社を辞め、アルバイトやパートなどで働いた時にもらったお金から国民健康保険や国民年金を払う時になって、ものすごく高い金額を払わないといけない、払わされているという認識が出てきてもおかしくありません。
気分的には損をした気になってしまうのではないか?

その結果の、社会保険があるところに就職した方がいい、と。。

みたいな発想をもちました。

実際には、社会保険の扶養に入った場合、その人の家族が何人いても保険料は変わりませんが、国民健康保険の場合は人数分の保険料金が発生し、負担が大きくなる、といった理由も当然にあるとは思いますが。。。

ただ、独り身の方にとってはあまり関係のない話。

そんな、かつての時代背景から日本国は税金や、保険、年金について個人があまり考えなくてもよい社会制度を作ったことに日本人の、というか当時の役人のしたたかさを感じるのです。

つまり、サラリーマンであれば会社が支払うものを全部支払ってくれるので、損な気分にならない(国保や国民年金を自分で手出ししないで良いので損な気分にならない)

サラリーマンの方の収入=手取り額

を日本全国の国民の頭の中に植えつけたと言えるかもしれません。

その結果が、会社員になれば収入を保証される、といった誤認識が常識となってしまったのです。

税金の仕組みをしっかりと理解すれば、国民年金や国民健康保険の制度も、社会保険・厚生年金の制度も、税金から見ればほとんど変わりません。
(ただ、社保の方が、会社が半額負担している分、実際に納めている金額は多くなるなどの差はあります)

ただ、会社が納めるのか、個人が納めるのかの違いでしかないのです。
実際には会社員だって本当はもっと多くもらっている給料を自分で支払っていることに変わりはないのですから。

ここからが本題

ようやく、題名の”サラリーマンが儲からないわけ”を考えてみることにしましょう。

今までの長いお話は、要約すれば、実際に支払っているのにその実感がないサラリーマンは、いくら引かれているのか?いくら支払っているのか?をほとんどの人が具体的な金額を分かっていないところに今回のお話のポイントがあるのです。

逆を言えば、自営業の人は支払う所得税であったり、住民税、国民健康保険や国民年金に敏感になっている、ということが言えるのです。

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かりに、給料を毎月20万円もらっている人で考えてみます。
手元に入ってくる金額が20万円として、社会保険や厚生年金で2万円くらい。
所得税の積み立てが1万円。
住民税は前年度の所得から計算されていますのでざっくりと5千円としましょう。

ほんと、ざっくりの話ですが、3万5千円を引かれた上で20万円であるとすれば、この人の本来もらえる金額は23万5千円になります。

自営業者が23万5千円の売り上げを上げた場合の計算をこれもざっくりと計算してみましょう。
国民年金が、1万6千円で、国民健康保険と住民税は前年度の所得から計算します。
所得税は2/15~3/15くらいに毎年行われる確定申告で決まり、その後4/1までに一括で支払いますので、単月で見た場合は、いくら積み立てればいいかはその人個人の判断になります。

ここで問題となるのは、前年度の所得から計算する、という部分です。
これは前年度の確定申告で、その自営業者の収入を確定する申告した額がいくらだったか?ということがポイントになります。
その金額に所得税であれば累進課税なので具体的な数字ははっきりとは言えませんが、10%くらい。住民税も10%くらい。国民健康保険は居住する市町村によって利率が違いますがざっくり10%くらい。
つまり、30%くらいが所得税・住民税・国民健康保険です。

サラリーマンはいくら引かれているのか知らない=こういった税金の仕組みはほとんど知らない

ということです。

逆を言えば、自営業の人は確定申告で実際の収入(課税対象所得といいますが)の30%前後が税金で取られることを知っています。
もちろん、皆が皆正確に知っているわけではありません。
ただ、これだけは知っています。

確定申告で実際の収入(課税対象所得)を下げよう、赤字にしよう
そうすれば、税金が安くなる

ということを。




なんとなくお話していますが、これって大きくないですか?

自営業の人はとられる金額を漠然とはいえ知っているし、なおかつコントロールできるんです!!!

どういうことかといえば、最初の方の話ですが、23万5千円稼いだ売り上げのうち、ガソリン代がいくら、携帯代がいくら、家賃のうち事務所の割合がいくら、などなど差し引いて、実際の収入は7万円です!と確定申告で申告すれば、この月の課税対象所得は7万円ということになるのです。

普通に考えたら、月7万円で生活などできません。
ただ、生活に使うお金を経費で計上できたらどう思いますか?

サラリーマンで月20万円をもらいました。
携帯で1万円。車の駐車場で7千円。ガソリン代が1万円。
家賃は6万円。食費が3万円。。。。
こんな感じで月2万円は貯金しているサラリーマン。

先程の例で、自営業で月23万5千円の売り上げのうち
携帯で1万円。車の駐車場で7千円。ガソリン代が1万円。
家賃は6万円(経費分1万5千円)。食費が3万円。。。。
経費に該当する分で
携帯で1万円。車の駐車場で7千円。ガソリン代が1万円。
家賃は6万円(経費分1万5千円)。
ざっと、3万2千円分。
まぁ、3万5千円として、残りが20万円。

この差は何か?
翌年のサラリーマンと自営業者の税金・保険・住民税に大きく影響が出てきます。

サラリーマンは23万5千円×12カ月=282万円
自営業の人は20万円×12カ月=240万円

課税対象所得の計算は、ここからさまざまなもの(控除)をしていくのですが、それぞれ計算の仕方が違うので割愛しますが、基準となる控除に大きな差はありません。
給与所得控除(65万円~)なのか?青色申告(65万円)なのか?

こう考えていくと一年の差42万円の3割分が差になって現れます。
約12万円、毎月に直せば毎月1万円。
自営業者はサラリーマンより支払う税金は安くなります。

あくまでざっくりとした計算なので参考程度とお考えください。
ただ、この仕組みを知っているか知らないかで、一生の支払う税金は大きく変わると思いませんか?
また、一生サラリーマンでいる方は自営業者と比較した場合、この仕組みを知る機会は、ほとんどありません。
さらに、自営業者にとって、毎年支払う話になりますので、年を追うごとに経費計上するものを勉強していくことが多いでしょうから、経費の額や種類はどんどん大きくなると思います。それはつまり、課税される所得額がどんどん下がっていく、課税対象所得が下がれば、支払う税金関係の支払いもどんどん下がっていく、こういう風に自営業者は支払いを少なくするためイヤでも税金と向き合うハメになるのです。
その結果、税金を下げよう、支払いを下げようといろいろ勉強をします。
同じような自営業者からも情報を仕入れます。
とにかく支払いを下げようと。。。

こういう自営業者ばかりだと、日本国は税金という収入が下がります。
日本国は確実に収入になるサラリーマンを増やそうと考え、実行しているのです。

この仕組みを考えると、税金の勉強をした人は税金を安くする方法を考えると思います。いまが、たとえ、サラリーマンだったとしても、です。

本当にかしこい人は、自営業もやりながら社会保険のあるアルバイトやパートをすると、両方から給与所得控除(65万円~)と青色申告控除(65万円)のダブルが引け、なおかつ、自営業で赤字を出して損益通算して所得税積み立ての還付金をもらう、所得税自体を0にする、などの手が使えたりするのですが、、、

ともかく、サラリーマンのままでいる人は税金の仕組みを勉強するべきだとも思いますし、(かといって、サラリーマンのままで税金を安くする方法はなかなか見つからないかもしれませんが)自営業の人こそもっと税金の勉強をするべきだと思います。

サラリーマンにしても、自営業にしても、自分の努力で給与や収入を上げることは正直なかなか難しいと思います。
ただ、支出を下げることに関しては自分の努力でできると思いませんか?

ましてや、自営業者に関しては自分の生活にかかっているお金をどれだけ経費に回せるか、を考えて実行することで税金・保険料という支払いが少なくすることができるという意味で、たとえ同じ額の手取り金額だとしても、サラリーマンは儲からないし、自営業は賢くなることで実際の収入、使えるお金の範囲は大きくなるのではないでしょうか?