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2016年4月、熊本の大地震の翌日。

いつもお世話になっている、青色申告会の方から連絡が入りました。
「被災地に救援物資を送りたいのですが、行ってもらえないでしょうか?」

正直、こんなお話が来るとは思ってもいませんでしたが、このときはお断りをさせていただきました。被災地はただでさえ、交通状況が悪化しており、道路の渋滞もひどいであろうと思っていました。私のようなまだまだひよっこの小さな会社が、しかも軽自動車で運べるものを運んだとして、どこにもっていくのか?大きなパイプがあって、相談するような場所があって、ではどこそこに向かって下さいと、指示を仰ぐのならまだしも、右も左も分からない、ただ、親切心、ボランティア精神で向かったところで、一体何ができるのか?

もちろん、ひどい人間と思われるかもしれませんが、逆に交通状況がどんなものか?が想像できるだけに、行くだけ、1台分の車両が交通の妨げになると思って、今回は辞退をさせてもらいました。

逆に、どこに行ってほしいとの、具体的な場所なんかが分かっているのなら行ったかもしれません。今回のケースはなかなか、駆け出しの軽運送の1ドライバーには難しい選択でした。。

その翌日に、今度はコンビニに飲料や食料を届けてほしいとの依頼が来ました。
このお仕事は夜中に出て、朝までに配送完了をするとのことで、この仕事は引き受けました。

で、実際に行ってみると、トラックと別に軽運送車が20台くらいありました。
ただ、呼ばれるまでがとても長く、2時間前後は待機をしました。

1:00に呼ばれて、積み込みが2:30過ぎ。
出発は3:00。。。

目的地は熊本の被災地にあるコンビニでした。
夜中ということもあり、高速道路は使わずに行っても4時間前後で到着。
届け終わると、被災地の被害状況が目に飛び込んできました。

国道3号線が至る所にひび割れをしており、段差ができていました。
また、通行止めの道や橋、橋を渡るときの段差ができており、そのたびに車がブレーキをかけるため、ただの1本道でも渋滞が発生しておりました。

また、高速道路も熊本市内はほぼ通行止めで、全ての車両が国道3号を利用するため、帰りつくまでに6時間以上をかけて福岡に戻りました。

戻る最中に、今晩もいけないか?との問い合わせが。。

4月の下旬から5月の上旬だけで10回前後、ほぼ毎日同じようなスポットを走ることになりました。
場所は毎回違うため、被災地まで行かない日もありましたが、熊本に入る前の段階で、水道の供給が止まっておりコンビニのトイレは使えなくなり、また、熊本に近づくにつれて、コンビニの物資そのものが少なくなっていました。5月に入っても、場所によっては水道の復旧が進んでおらず、物資も少ない状態でした。道路に関しては段差アリの緊急用の標識や、通行止めの解除などが進んでいきましたが、高速道路は片側のみ一部復旧、また、物資を運ぶ車両のみ一部区間開通など、なかなか、『被災地』というものを走りながら実感をしていました。

場所によっては被災地の住宅街などを通ることもあり、完全に屋根だけになった家、また、ブルーシートで瓦が落ちたところを補修している家、5月に入ってからは熊本城付近を通ったこともありまして、映像で見た雪崩の起きた現場を生で見る機会もありました。
マンションの1F部分が落ち車が押しつぶされている現場、など生々しい現場の横をコンビニのジュースやおにぎりなどを配送する機会をもらって走っていました。

もちろんスポットとしての金額や走行距離なんかも考えましたが、それ以上に、物流がストップするとどうなるのか?ということをよくよく考えさせられる機会となりました。
まだまだ、小さな軽運送という会社ではありますが、何かあった時にリーダーシップをとれるだけの大きな会社を目指せたら、こういった時に動けるのかな?と思いましたが、まずは一つ一つ着実にやるべきことをやっていければいいのかな?と思います。。

以上、熊本スポットでした。。

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